余話
ふっとルキアは顔を上げた。
チシャクランの宿屋で、寝酒にワインを楽しみ、そろそろ眠ろうかと思っていたところ。
懐かしくも愛おしい声が聞こえて、夜の闇に沈む窓の外を眺める。
「…………カスミ、お前は此処まで来ながら迷っている私を笑うか……?」
返事がないのはわかっていても、訊かずにはおれなかった。
だが、その笑顔を久しぶりに思い出すことができる。
あなたの望むように、と送りだしてくれた彼女を思い出す。
「そうだな……。私の望みは、彼の願いの行方を見届けることだ………」
ならば、もう迷う必要はなかった。
「待っていてくれ……。必ず、帰るから…………」
ただ、焦がれるような呟きは、いまにも泣き出しそうな空に似ていた。
おしまい
初の『3』ネタになりますかね。いかがでしたでしょうか?
すでにルキアとカスミは結婚して子供までいるわけですが、お気を悪くされた方がいないことを祈るばかりです。
ルキアが何故に旅に出たのかの話を書いてないので、わかりづらいだろうとは思っているんです・・・。が、温めている『3』ネタ話に、留守を預かるカスミたちを出せそうになく、これだけ単品扱いでアップという形を取りました。
いつか必ず書き上げたいです、『3』のでっち上げ話・・・(;'-') ビッキーについてもそこで。
引用した漢詩は、李商隠の『夜雨北寄(夜雨、北ニ寄ス)』です。他に思い浮かばなくて、今回のタイトルは方角を変えただけだったりします(;'-')
ブログに書き下し文を載せています(2012.4.25記事 語る。その10)ので、良ければそちらもご覧ください(*^_^*)
ルックを止めに行ったわけでもなく、手を貸しに行ったわけでもなく、ただ見守っていた、と思っています、いまは・・・(T_T)
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