Dia dos Namorados/que 3



 梁山城の果樹園の外れは、デュナン湖を一望でき、なおかつこの季節は湖からの風が気持ちよく絶好のお昼寝スポットである。
 紅の胡服を風にそよがせて、トランの英雄は最愛の人の膝枕で夢と現を行ったり来たり。
 その微睡んでいた瞳が、突然、パチリと覚醒した。
「ルキア様……?」
 大きな木の幹にもたれて本を読んでいたカスミは、顔だけ城の方向へ向けたルキアの視線を追う。
「………シーナが来る………」
 まだ何処となくぼんやりした声音で、ルキアは呟いた。
「なにか用事でしょうか……?」
「さぁ……。特に互いに用なんてできたことないけど………。ゴクウに頼まれたかな」
「そうですね」
「…………。日がな一日、こうしていられる日はいつになるやら………」
 カスミは苦笑するしかない。
「今日はそうしていたい、と申し上げましょうか?」
「シーナにそれを伝言させるのは可哀想だなぁ。それに、ゴクウの頼みで此処に来ているわけだし………」
 だが、まだ起き上がる気にもならないらしい。
 口ではなにも言わないが態度で駄々をこねるので、これはグレミオさん大変だったろうなぁ、とカスミは思う。
「あ〜、いたいた、やっぱり此処だった・・」
 ルキアの言葉通り城側からシーナがやってきたが、途中で言葉を凍りつかせている。カスミは申し訳なさそうにシーナに微笑んだ。
「ルキア様にご用ですか?」
「………あぁ、いや、俺じゃなくて、ゴクウが」
「何処に行くって……?」
 さも渋々とルキアは起き上がって訊いた。
「交易を兼ねた偵察でいろいろとって言ってたな。………なんか適当に言って断っとくか?」
 思いがけない提案に、一瞬、ルキアは動きが止まる。やがて惚れ惚れするくらいに極上の笑みで首を横に振った。
「いや、行くよ。タダ飯喰らうのも悪い」
「そか………。じゃあ、先戻ってるから、早めに頼むぜ」
「わかった。……ありがとな、シーナ」
 シーナはなんのことだ、と空惚けて、もと来た道を戻っていった。
 振り返ったルキアは、カスミの頬に手を添えた。
「じゃあ、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃいませ、ルキア様」
 にこりと微笑むカスミに、いつもなら軽くついばむ程度が、少し深く長いキスになるのも、いつも大目に見てもらってることだ。
END




 恋人の日にちなんで、原点回帰! というわけで、ルキア×カスミでした。いかがでしたでしょうか?

 一等好きなカプなのに、これだけ書くのも難産・・・(≧△≦) 『5』をプレイ中で、他のキャラに目移りしちゃってるせいでしょうか、すでに熟年カップルのような年季が入ってるからでしょうか(爆)
 時間軸を『2』にこだわらなくても良かったな、と。ちょっと反省。

 ルキアにみんなが甘いのは他の話でも散々書いてるから、こんなにいまさら感があるのかしら・・・(;'-')