オマケ
トランから帰ってきたメグは、今後のことを相談するためアップルのもとを訪ねた。
幸いにして、一人でいた彼女を捕まえて自分の部屋で話をすることができた。
「・・でね、いま、妊娠四ヶ月くらいらしいんだ」
「本当!? おめでとう、メグ!」
最初、驚いた表情だったアップルはすぐに嬉しそうに笑って、メグを優しく抱きしめた。
「ありがとう、アップル」
レナンカンプで、父親と侃々諤々にやりあったあとのこの祝福の言葉は素直に嬉しい。もちろん、母親は最初から許してくれて祝ってくれてたけれど。
「それで、ルキアはハルモニアに知られるのを嫌がってて、私もこの子のことはあまり他の人に知られないようにしたほうが良いと思ってるんだ………」
「そうね………。ルキアさんは真の紋章を持ってるものね………。メグがマクドール家に入らないって言うなら、そうしたほうが賢明か……。………わかったわ、協力するから。この戦争もあと少しだし、大丈夫よ」
「ありがと……。もちろん、解放戦争の時の仲間には全然構わないんだけれどね」
「カスミたちには……?」
「これから………」
ちょっと緊張した表情のメグに、アップルは大丈夫よと励ますように肩を叩いた。
「…………。そうだ、ねぇ、クラウディアって名前、聞いたことない? 何処かで聞いたことがあるんだけど、どうしても思い出せなくって………」
メグにはもどかしいくらいだった疑問を、アップルはいとも簡単に解決した。
「クラウディアって言ったら、バルバロッサ帝のお妃様の名前じゃない」
「…………え?」
これ以上ないくらいに大きく見開かれたメグの瞳。アップルは気づかずに言葉を続ける。
「私たちが小さい頃にお亡くなりになった方だから、あまり名前を覚えてる人もいないのかしらね」
「………ルキアの、伯母さんの名前………」
ようやく、アップルはメグの様子に気づき、にこりと笑った。
「えぇ、クラウディア様はテオ将軍の姉で、ルキアさんの伯母にあたるわ。このことを覚えている人も、もうほとんどいないわね………。あの家の人たちは、個々にはとても派手なのに、一族を語らせようとは決してしないのよ。それが、本当に不思議………」
アップルのこの感慨を、メグは忘れることはなかった。そして、その答えは、一族に入らないと誓った自分には聞くことができないのを少し淋しく思った。
おしまい
ベルちゃん誕生秘話その2でした。いかがでしたでしょうか?
ルキアは責任の取れないようなことはしないので、お金とかその他諸々の問題を自分のでき得る限りメグにしてあげたと思います。
第二夫人とか愛人とか上流階級では当たり前の世界なので、他の代でも家紋の指輪をもらった人はちらほらいて、家史には記録されてます。で、メグと同じように使うことはなくって、その後の行方はまったく不明。メグのもらった指輪もずっと先の未来で、ひょっこり放浪中のルキアの目に触れて、泣かせちゃえば良いよ('-'*)
クラウディア様がテオ様の姉なのは、とんでも捏造設定デス。すみません! でも、姻戚関係にあってもおかしくはないよね、家柄的にも。
坊メグ的には、あとは『3』のお話を書いたらお終いです。はふ、いつになるかなぁ・・・(;'-')
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