Meg's Case


 ルキアは倉庫に続く廊下へ視線を向けてから、船着き場へ向かった。
(絶対に、似合う)
 船着き場で、メグがキョロキョロと樽の間を行ったり来たりしていた。
「メグ」
「あ、ルキアさん。こんにちは。からくり丸を見ませんでした?」
「いや、見てないな」
「……もう、からくり丸ったら、何処に行っちゃったのかなぁ?」
 ブツブツと文句を呟くメグを、ルキアは微笑みながら見つめる。
「メグ、手、出して」
「え……?」
 反射的に出した手のひらに、スルスルとリボンが落ちてきた。
 色は、深紅。シルクの肌触りも心地よい、目の覚めるような紅いリボン。
「ルキアさん……これ……」
「メグに似合いそうだなって思って。良かったら、使って」
 あぁ、みんなから話を聞いたんだろうな、とメグは納得する。
(ルキアさんは優しいから、私にまで気を遣ってくれる)
 メグはキュッとリボンを握りしめた。
「…………ルキアさんは優しすぎるよ。こんなこと、私にまでする必要ないのに。気を遣ってくれなくったって良いのに」
「……メグ、私の眼を見て言って」
 リボンを握りしめたままうつむいて、メグは小さく首を振った。
「ダメ。ルキアさんの顔を見たら言えないもん。でも、今日こそちゃんと言うんだもん」
 震えそうになる声を、メグは必死に堪える。
「私、こんなことされちゃったら、ルキアさんのこと独り占めできないのに、勝手に期待ばっかりしちゃうんだから。ルキアさんのこと、好きになっちゃいけないのに、気持ちが止まらなくなっちゃうんだから」
「………ごめん、私の気持ちはメグには迷惑だったんだな」
 沈んだルキアの声。
 傷つけてしまった、と慌てて顔をあげたメグの目の前に、ルキアの笑顔があった。
「え……?」
「捕まえた」
 メグの頬をルキアは優しく包みこむ。
「一つだけ、良いかな」
「ル、ルキアさん……」
「気を遣ってるんじゃないよ。本当に、メグにプレゼントしたかったんだよ」
「でも……だって……」
 深く吸いこまれそうな瞳に見つめられて、メグの視線は落ち着かなげに彷徨う。
「私の言うこと、信じられないか?」
「そんなことないよ」
「リボン、いらなかった?」
「うぅん……嬉しい……ありがとう……」
「良かった」
 ようやくルキアはメグを解放した。
 メグは大きく息を吐き出す。熱い頬は、ルキアの手のせいばかりではない。
「ルキアさん」
「なに……?」
「………私のこと好き?」
「うん、好きだよ」
 無敵の笑顔で答えられて、メグは無駄な抵抗だったんだな、と観念する。
(『好き』がコントロールできたら、それは『好き』じゃないよね)

 気がつけば、そこに大輪の花。
END





 他のキャラと違ってちょっとシリアス!?と思ったのも束の間、ルキアのだまし討ちでこの話も・・・(爆)
 でも、書いてて楽しかったです。メグもお気に入りのキャラ(*^_^*) 『外伝2』の大人版にはもうメロメロ(≧∇≦)

 たぶん、ルキアがその気に仕向けたのはメグだけのような気がします。カスミや他の女性陣たちは、最初からルキアのこと好きだったけど、メグは『1』の時はルキアのことをカッコ良いリーダーくらいにしか思ってなかった。『2』で再会してちょっと「あれ?」って思ったところを突いて落とした・・・と妄想(;'-')

 深紅も冴えた赤色です。真紅とも書きます。