Tengaar's Case
ヒックスは真っ直ぐにテンガアールのもとへ向かった。手には藍の小箱。
(絶対、似合うと思うけど。……でも、気に入ってくれなかったらどうしよう……!)
テンガアールは、3階のバラ園でヒックスの帰りを待っていた。
「ヒックス、お帰り!」
飛びついてヒックスを出迎える。
「ただいま、テンガ」
「ね、ね、お願いしたの、買ってきてくれた?」
期待に目をキラキラさせて、テンガアールはヒックスを見上げる。
「う、うん……。これ、気に入ってくれると良いけど……」
ヒックスは不安いっぱい、期待ほんの少しで胸をドキドキさせて、テンガアールに小箱を渡す。
「開けるよ……?」
「どうぞ」
小箱の中身は、箱と同じ藍色のケースの口紅。
色は、チェリーレッド。
「わぁ、綺麗な赤だね!」
「普段使いには向かないかもしれないけど、でも、テンガにはよく似合うんじゃないかなって思って……」
「ありがとう、ヒックス!」
満面の笑顔で、テンガはヒックスに抱きついた。
「どういたしまして」
喜んでくれた、と安堵の息を吐いて、ヒックスは抱きとめた。
「ちょっと、つけてみるね」
テンガはくるりと背を向けた。ポケットから手鏡を取り出して、ドキドキしながら口紅をつける。
小さな鏡に映った自分の顔が、急に大人びて見えた。まるで別人のよう。
「……テンガ……?」
背を向けたままのテンガアールに、ヒックスは心配そうに声をかけた。前へまわりこんで、顔を覗きこむ。
「ヒックス……」
ほんのり頬を赤らめて、テンガアールはヒックスを見つめた。
いつも一番近くにあった笑顔が、さらに華やかさを備えて近くにある。思った以上の口紅の効果に、ヒックスも照れてしまった。
「すごく似合ってるよ、テンガ」
「ほんと? ヒックス、大好き!」
どれだけ言葉にしても言い足りないくらいのこの気持ち。テンガアールは三度(みたび)、ヒックスに抱きついた。
(僕の王子様は、ヒックスしかいないよ)
二人の想いは、永久(とわ)なる花。
END
これぞまさしく、バカップルってところでしょうか(爆)
この二人も大好きです。幻水の何作目になるかわかんないけど、いつか二人の結婚式が見たいです。見たいんだってば、573!!(≧△≦)
チェリーレッドは、言わずと知れた冴えた赤です。いまだかつて、つけたことはありません(笑)
テンガにドレス着せて、この色の口紅を塗ってもらったらよく似合うでしょうね〜(*^_^*)
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