それから数日して、買付けから帰ってきたレオナは、ルキアとメグを見かけた。
手を繋いで楽しそうに会話する二人の姿は、とても微笑ましい。ようやく仲直りができたらしい、とこちらもなんだか嬉しい気分で酒場へ帰った。
その日の夜、カウンター席へとやってきたのはカスミだった。昼間見かけたルキアとメグの様子を思い出し、少し複雑な気分でレオナは注文を訊いた。
「ワインはありますか?」
「あいよ」
カスミがお気に入りの、甘口の白ワインをレオナは出した。
フルーティーなワインを美味しそうに飲むカスミを見やって、レオナは口を開いた。
「どうして、あんたたちはルキアにこうも甘いんだろうねぇ」
カスミはほんの少し寂しそうに笑った。
「………英雄と呼ばれていた頃のあの人が、とても哀しかったんです………。あの頃、ルキア様の一等近くにいた子が、私一人では支えきれない、と言うほどに………」
「………いまは違うだろ」
「えぇ。でも、それをルキア様自身が自覚できなかったら変わりませんでした」
「そうだね………」
頷いて、カスミの言葉が過去形だったことに気づく。
ルキアは、笑っていたのだ。
「そっか、やっと自覚できたんだ」
「はい」
嬉しそうにカスミは頷いた。その笑顔をとても綺麗だとレオナは思う。
「でも、もっとあんたのことを大事にしたって、罰は当たらないと思うけどね」
とろけるような笑顔で、カスミは答える。
「永遠をもらったので、それで充分です」
「…………永遠か」
一瞬、言葉に詰まったレオナの気持ちに気づいているのかいないのか、カスミはさらに言葉を紡ぐ。
「人の想いは移ろいゆくものだと言うけれど、私のこの想いは変わらないのでしょう。あの人が、『世界』を想い続ける限りは」
「ルキアも変わらないと……?」
意地の悪い質問だとは思ったが、カスミは気にしていないようだった。
「みんなも、そして私も『世界』の一部でしょう……?」
「……そうだね」
感心したようにレオナは頷いた。
「ルキアがあんたを一等好きなわけがわかった気がするよ」
レオナは心中で付け加える。ルキアが『門の紋章戦争』参加メンバー以外に遠慮しているように見えた訳もわかった気がする、と。
ルキアが遠慮しているのではない。自分自身が一線を引いてしまっていたのだ。彼の心の深さに畏れを抱いて。
そして、もうこの一線を越えることができないことも、はっきりと自覚した。
自分だって、人の恋路を邪魔するような野暮じゃない。
END
前サイトのキリ番『44444』をゲットされたくら様のリクエスト、『坊と正妻と他の側室たち』でした。いかがでしたでしょう?
タイトルはスルーで(;'-') 全然、決まらなくて、七転八倒しました。言うまでもないでしょうが、オリジナルです。
“正妻”という立場なので『2』軸の話。『2』の宿星メンバー女性陣で、ルキアと関係のあったことに設定しているキャラはこの4人です(爆)
タイムテーブル見ていただけると、ルキアとメグのケンカの原因がわかると思います。
復刊にあたり、いつもなら1ファイルで納めてる長さなのですが、前サイトでアップした時のように細切れにしました。ページ見出しは、ルキアと彼女たちの気持ち。
『永遠』とは?
「永遠をもらった」と言うカスミと、「永遠なんてまやかしだ」と言うジーン。私は、どちらも間違ってないと思っています。
でも、いまになって思えば、ジーンにまやかしだと言わせたのは、痛烈だったな、と自画自賛しました(ぇ
くら様からは「ルキアに、正妻の海より深い心を思い知らせてやってくれ!」とのことでしたが、さらにつけあがらせましたね・・・(;;;'-')
ともあれ、リクエスト、ありがとうございます(*^_^*)
最後になりましたが、この話、オマケがあります。ルキア×ジーンのえっち度MAXな1シーンです。このカップリング、及び、私の書くえっちぃ話が平気な人だけ、いつものアイコンをクリックしてください。
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